皆さん、こんにちは。群馬県甘楽郡を拠点に、軽井沢周辺地域で造園工事や土木工事を手掛ける有限会社神戸造園です。
「土留めが必要だが、どんな石積みがいいのか分からない…」
「石積みにはどんな種類があって、費用や強度はどう違うの?」
「軽井沢の自宅に、自然と調和する美しい石積みを採り入れたい」
そんなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。石積みは、土留めや外壁として機能するだけでなく、豊かな自然景観と調和し、住まいの風格を高めてくれる素晴らしい技術です。
しかし、その種類は多岐にわたり、目的や安全性に合ったものを選ばないと、後々「崩れる」といった大きな問題に繋がる可能性もあります。特にお住まいの地域の特性や法規制を無視して施工してしまうと、取り返しのつかない事態になりかねません。
この記事では、軽井沢周辺で多くの外構・造園を手掛けるプロの視点から、石積みの基本的な種類、それぞれのメリット・デメリット、そして最も重要な「安全性」と「技術」について、分かりやすく解説します。
■そもそも「石積み」とは?

石積みとは、天然の石材を積み上げて土留めや壁面を構築する伝統的な技法です。一般的には、土留めを兼ねた外壁などに用いられることが多く、その勾配(角度)によって名称が変わることがあります。
建築や造園の区分では、勾配が急なもの、例えば45度より急なものや1割未満(垂直に近い)の急な勾配で積み上げられたものを「石積み」と呼びます。一方で、それよりも緩やかな勾配で地面に沿わせるように配置するものは「敷石」や「石張り」と呼ばれ、歩行路や広場の舗装として区別されるのが一般的です。石積みは、石自体の重みと、石同士が噛み合う力、そして裏側の土圧とのバランスによって成立する、非常に奥の深い構造物なのです。
■石積みの基本的な施工方法

石積みの施工方法は、現代の土木技術と伝統技術が組み合わさっており、大きく分けて「練積み」と「空積み」の2種類が存在します。これらは見た目の風合いだけでなく、構造的な強さや用途が全く異なります。
・ 練積み(ねりづみ)
練積みとは、石を積み上げる際に、石の裏側や隙間にコンクリートやモルタルを充填して固める工法です。この工法の特徴は、コンクリートの接着力と重量によって非常に高い強度を確保できる点にあります。そのため、高さのある土留めが必要な場所や、道路に面した強固な壁を作りたい場合に適しており、一般的には高さ5メートル程度までの施工が可能です。
ただし、注意点もあり、石の背面にコンクリートを流し込むため、壁の裏側に水が溜まりやすくなります。水圧が上がると土圧と相まって崩壊の危険が生じるため、一定の間隔で「水抜き穴(水抜きパイプ)」を設置することが法律や技術基準で義務付けられています。また、コンクリートが完全に固まるまでの養生期間が必要になることや、隙間がモルタルで埋まるため、後述する空積みに比べると、石本来が持つ自然な風合いや通気性はやや抑えられる傾向にあります。
・ 空積み(からづみ)
空積みは、コンクリートやモルタルを一切使用せず、石と石を物理的に噛み合わせる技術だけで積み上げる日本古来の伝統工法です。石の裏側には「裏込石(うらごめいし)」と呼ばれる割栗石や砂利を詰め、その隙間を水が通り抜ける構造になっています。この工法のメリットは、壁全体が水抜きの役割を果たすため水圧がかかりにくく、非常に水はけが良い点です。また、石と石の間にわずかな隙間があることで、年月とともに苔が馴染んだり植物が自生したりと、周囲の景観に溶け込む美しい経年変化を楽しむことができます。
一方で、強度の面では練積みに劣るため、あまりに高く積むのには適していません。建築基準法では、高さ2メートルを超える石積みは原則として練積み(または一定の強度を持つ構造)でなければならないと規定されています。そのため、低い段差の土留めや庭の景観づくりに採用されることが多いです。空積みは石の選定や絶妙なかみ合わせを調整する職人の勘が仕上がりを左右するため、現代では貴重な工法でもあります。
■ 見た目の印象を決める「積み方」の種類

石をどのように配置し、目地(継ぎ目)をどう通すかによって、仕上がりのデザインや安定性は大きく変わります。代表的な3つの積み方を見ていきましょう。
・ 布積み(ぬのづみ)
布積みは、石材を横方向に一列ずつ並べて据えていき、横の目地が水平に一直線に通るように積み揃える方法です。その整然とした様子から「整層積み」とも呼ばれます。全体的に規則正しく、落ち着いた清潔感のある印象を与えるため、現代的な住宅の外構や、格式高い門構えによく採用されます。石の大きさが揃っている必要があるため、加工された石材を用いることが多いのも特徴です。
・ 乱積み(らんづみ)
乱積みは、大きさや形が一つひとつ異なる不揃いの石を使い、横の目地を通さないようにパズルのように組み合わせていく方法です。大小さまざまな石が入り混じることで、ダイナミックで自然な表情が生まれます。石の個性を活かす積み方であるため、画一的ではない唯一無二のデザインを求める方に人気があります。特に、ロックガーデンや、自然の豊かさを強調したい別荘地の外構などに非常にマッチします。
・ 谷積み(たにづみ/落し積み)
谷積みは、石材を斜め45度程度に傾けて使い、下の石が作る「谷」の部分に上の石を落とし込むように、はめ込んで積んでいく方法です。見た目には斜めのラインが強調される独特の美しさがありますが、実は機能的なメリットも大きいです。石材同士が斜めに押し合うことで「せり持ち作用」と呼ばれる力が働き、横方向へのズレに強くなります。そのため、水平に積む布積みよりも構造的に安定しやすく、古くから擁壁の施工で好まれてきた歴史があります。
■ 使う石で仕上がりが変わる!「石材の形状・加工」による種類

石積みで使用する石の「形」も、全体の雰囲気を左右する重要な要素です。
・ 野面石積み(のづらいしづみ)/ 野面積(のづらずみ)
野面石積みとは、山や河原にある自然石をほとんど加工せずに、そのままの形で積み上げる伝統的な手法です。城郭の石垣のなかでも初期の技法として知られ、力強く、野趣あふれる風情が最大の特徴です。石と石の間に大きな隙間ができるため、小さな植物や生き物が住み着くこともあり、軽井沢の豊かな森やナチュラルガーデンによく調和します。自然そのものの美しさを愛する方に最適な選び方です。
・ 間知石積み(けんちいしづみ)
間知石積みは、日本工業規格(JIS)でも規定されている、前面が四角形で奥行きが角錐状に尖った加工石材です。大きさが均一で積み上げやすいため、土留め工事において最も一般的で信頼性の高い工法とされています。練積みで施工されることが多く、斜面の保護や道路沿いの擁壁など、確実な強度が求められる場所でその真価を発揮します。整った仕上がりになるため、公共事業から一般住宅まで幅広く利用されています。
・ 玉石積み(たまいしづみ)
玉石積みは、川の上流などで見られる、角が取れて丸みを帯びた20~30センチ程度の自然石(玉石)を用いる積み方です。丸い形状を活かして積むため、全体的に柔らかく、優しい印象を与えます。河川の景観保護や和風庭園のアクセント、古民家再生の外構などに用いられることが多く、石同士の接地面が少ないため、しっかりとした裏込めと技術が必要な積み方でもあります。
・ 亀甲積み(きっこうづみ)
亀甲積みは、石材を六角形に加工して、蜂の巣のような模様に見えるように積む非常に高度な技法です。間知石積みの一種とも言えますが、石の接合面が多くなり、力が均等に分散されるため、構造的に非常に崩れにくいという特徴があります。その美しさと強固さから、江戸時代の城郭や邸宅の石垣に用いられてきました。石の加工に多大な手間がかかり、熟練の職人技術を要するため、現代では非常に贅沢で価値の高い積み方とされています。
■ 石積みの「美しさ」と「安全性」は職人の技術で決まる

石積みは、重い石を高く積み上げる構造物です。だからこそ、表面の美しさ以上に「絶対に崩れない」という安全性が担保されていなければなりません。その安全性を支えるのは、カタログ上のスペックではなく、職人の現場での判断と技術力です。
・ "崩れない" 秘密は「かみ合わせ(合端)」
石積みが強固であるための最大の秘密は「かみ合わせ」にあります。石積み用語では、石と石が接する面のことを「合端(あいば)」と呼びますが、この合端がどれだけ密着し、お互いを支え合っているかが重要です。特に、コンクリートを使わない空積みでは、接着剤に頼ることができない分、石の重心をどこに置くか、どの石とどの石を噛み合わせれば土圧を分散できるかという、職人の「目」が命となります。合い口がピタリと合うことで、初めて石は巨大な一つの壁として機能し、何十年、何百年と耐えうる構造になるのです。
・ プロが見ればわかる「良くない積み方」
反対に、技術不足の業者が行うと、一見綺麗に見えても危険な「良くない積み方」になります。例えば、石の接触面が極端に少なく、点で支えているような「毛抜き合端(かみそり合端)」や、石の間に大きな隙間が空いてしまっている「笑い合端」などは、強度が著しく低くなります。また、目地が十字に交差してしまう「四つ目地」や、縦の目地が一直線に通ってしまう「いも串」といった積み方も、重力を分散できず、そこから亀裂が入ったり崩れたりする原因となるため、プロの現場では厳禁とされています。
これらの専門用語を知っておくことは、業者選びの際にも役立ちます。例えば、「天端(てんば)」とは石積みの最上部の面、「控え(ひかえ)」とは石の奥行きのことですが、「今回の施工では控えをどのくらい確保しますか?」といった質問をすることで、業者が基礎知識に基づいた安全な設計をしているかを確認することができます。
・ 景観と技術の融合
優れた石積みは、安全性だけでなく、その土地の生態系や景観にも配慮されています。熟練の職人は、その土地の傾斜、土質、そして周囲の植生を観察し、どの種類の石をどう積めば、その場所に最も馴染むかを考え抜きます。崩れないという「安心」と、見ていて飽きない「美」の両立は、長年の経験に裏打ちされた職人の手技によって実現されるのです。
■ 軽井沢で石積みを選ぶ際のポイント

軽井沢という特別な場所で石積みを行うには、他の地域とは異なるいくつかの重要な考慮事項があります。
・ 景観条例の確認
軽井沢町には「軽井沢町景観条例」という厳しいルールが存在します。地域によって異なりますが、工作物の高さや素材、色の使用について細かく制限されている場合があります。例えば、コンクリートが剥き出しの壁よりも、自然石を活かした石積みの方が推奨されることが多く、事前に役所への確認や届出が必要なケースもあるため、地域のルールに詳しい業者に相談するのが安心です。
・ 地元の石材の活用
軽井沢周辺、特に浅間山の麓であるこの地域では、特有の火山岩である「浅間石(あさまいし)」を採ることができます。浅間石は独特のゴツゴツとした質感と黒味を帯びた色合いが特徴で、軽井沢の風景にこれ以上ないほど馴染みます。地元の石材を使うことは、景観を守るだけでなく、長距離の輸送コストを抑えられるという現実的なメリットもあります。
・ 凍害対策
軽井沢において最も注意すべきが、冬場の厳しい寒さによる「凍害(とうがい)」です。石の微細な隙間に入り込んだ水分が凍結して膨張し、石を割ってしまう現象です。特に寒冷地では、吸水率の低い硬質な石材を選ぶことや、水はけを考慮した工法(空積みの活用や、練積みにおける排水機能の強化)を採用することが、石積みの寿命を左右します。寒冷地での施工経験が豊富な業者を選ぶことが、長期的な安心に繋がります。
■ まとめ
石積みには、強度を重視した「練積み」や、伝統的で水はけに優れた「空積み」といった工法があり、さらに「布積み」「乱積み」「谷積み」といった積み方のパターン、そして「野面石」や「間知石」といった石材の種類によって、無数の組み合わせが存在します。
大切なのは、見た目の好みだけで選ぶのではなく、現地の土圧や勾配、そして軽井沢特有の気候や景観条例といった多角的な視点から、最適な種類を選ぶことです。そして何より、石積みの安全性と美観の決め手は、目に見えない「かみ合わせ」を完璧にこなす職人の技術力に他なりません。
地域の特性を深く理解し、確かな技術を持つ専門業者と共に作り上げた石積みは、あなたの住まいに永遠の価値を与えてくれるはずです。
■ 軽井沢で外構工事を検討中なら神戸造園にお任せください!

ここまで石積みの種類や選び方について解説してきましたが、理想の石積みを実現するには、知識だけでなく現場での確かな「提案力」と「技術力」が不可欠です。
神戸造園は、群馬県甘楽郡を拠点に、軽井沢周辺を含む地域で造園・外構・土木工事全般を手掛けております。当社の歴史は「庭石の販売」からスタートしました。そのため、石材に対するこだわりと知識の豊富さには絶対の自信を持っております。一つひとつの石が持つ表情を見極め、お客様のニーズに最も適した石材をプロの目線で厳選いたします。
特に私たちが得意としているのが「日本庭園」の技術です。石積みの真髄である「合端を合わせる技術」は、日本庭園の作庭を通じて長年磨き上げてきました。現在では、その繊細な技術を活かし、モダンでスタイリッシュなおしゃれな洋風の庭から、風格ある和風庭園まで幅広く対応しております。その高いデザイン性と確かな施工品質は、国内のお客様のみならず、こだわりを持つ外国人のお客様からも高く評価され、ご依頼をいただいております。
お庭のちょっとしたメンテナンスから、石積みを取り入れた大規模なプロデュースまで、お客様の想いに寄り添い、軽井沢の景観に溶け込む最高の一着ならぬ「最高の一庭」をご提案いたします。
「まずは概算の費用を知りたい」「浅間石を使った石積みが可能か見てほしい」といったご相談も大歓迎です。無料の現地調査・お見積りから承っておりますので、どうぞお気軽に神戸造園までお問い合わせください。
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